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外国人の思考回路に触れる

海外MBAに興味を持って通ってみたGMAT対策コースでは、要求されるレベルと自分の実力のギャップが大きくて毎回チンチンにやられていたが、その中で面白いなと思ったのは、「外国人の思考回路」に少し触れることができたこと。

どういうことかと言うと、そもそもGMATという試験は、主にアメリカでMBA(経営学修士)を取得するために通うビジネススクールに入学する為の試験なので、スゴく大雑把に言ってしまうと、「アメリカ人とやり合えるのか(議論できるのか)」ということを測るテスト。
そういう点から考えると、その勉強を通じて、“アメリカ人(外国人)の思考回路”を垣間見ることが出来るし、そう考えると、アメリカに住んだこともない純日本人の自分にとっては、その考え方自体が新しい発見であった。

特に、GMATのVerbalのセッションの勉強ではそれを感じた。
Critical Reasoningという問題カテゴリーがあって、その中で重要な基本的概念のひとつにassumption(アサンプション:仮定)というのがある。

カンタンな例を挙げるとすれば、下記のようなことだ。
山田さんとケンさんの会話。

山田さん:『鈴木さんは「帰国子女」なんですよ。だから、彼女はあんなに英語が上手に話せるんですよ。』

日本人のバアイ、山田さんが信頼できるか信用できないかで、話の信憑性を測ってしまいがち。または鈴木さんがどんなヒトかを思い浮かべてしまったり。悪いクセだが、それが日本人だ。

しかし、外国人のケンさんは、この話の矛盾を「論理的に」攻撃しなければ気が済まない。当然、議論を挑む。
そして、その時の有効な基本セオリーが、相手(山田さん)の「仮定(隠れた前提)」を攻撃するということ。

その仮定は何かと考える。
そう、山田さんの論点のよりどころ(つまり仮定)は、「子供の頃海外に何年か住んでいると英語が話せるようになる」ということ。

そして、ケンさんは、ニヤリと笑ってこう言う。
ケンさん:『彼女は確かに帰国子女ですが、住んでいたのは中国です。一番得意な外国語は中国語ですよ。』

山田さんは、慌ててこう言う。
山田さん:『じゃあ、何で鈴木さんは、あんなに英語を話せるんだよ!?』

ケンさんは、待ってましたとばかりに、とどめの一撃をくらわす。
ケンさん:『彼女は、日本に住むようになってから、英語の学校で一生懸命勉強をして英語が上手に話せるようになったんですよ。帰国子女だから英語が話せるワケではありませんよ。だから、ヤマダサンも、もっと英語の勉強した方がイイですネ~』

山田さん:『・・・』

こうして、議論に打ち勝ってすっきりしたケンさんは、もうその話は終わり。
『ヤマダサン、この後一緒に飲みにイキマショー。』と誘う。
完膚なきまでに議論に敗れた山田さんは、ケンさんには「面倒くさい議論好きのガイジン」という印象を持ち、さらには、ケンさんのことはもちろん外国人と議論すること自体を極力避けるようになる。

と、最後の部分は余計だが(意外と重要でありがち)、こういった議論のセオリーを学ぶというのは新鮮な面白さがあったし、大事なことだなと今でも思う。

また、GMATの勉強もいいかもなー


by lateblooming | 2017-09-02 11:35 | 日本へ転職 | Comments(0)