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コアラな娘の選択

私が2度目のシドニー赴任に向けて準備をしている時期、我が家の娘は高校3年生だった。

彼女は小学校高学年から中学3年までの5年間をシドニーで過ごし、帰国後3年間、日本の高校に通っていた。
日本に戻ってからも、コアラのように今一つ何を考えてるのか分からない上、普段何を考えているのかもなかなか伝わってこない感じであったが、帰国生が約3分の2を占めるという”珍獣たちが集まるサファリパーク”のような高校で、楽しく伸び伸び高校生活を送っているようではあった。

大学進学を考える娘にとって2つの選択肢があった。
ひとつは、日本の大学に通うこと。
もうひとつは、再び家族一緒にシドニーに行き、オーストラリアの大学に通うこと。

私がビジネスビザを申請しているときには、これらの「どちらかを選べる状況」になっていた。
簡単に「どちらかを選べる状況」とは言ったが、そういった状況の為の準備を進めていたことが一番重要であり大変なことだったと考える。
特に、その過程にワタシはほとんど関わっていなかったので、海外の大学の入学選考に必要な「TOEFL」や「SAT」という英語試験を娘に受験させておいた奥さんの「先を見た考え」には正直感心したし、その”叱咤激励”に応えて学校の成績を指定校推薦や帰国生受験を受けられるレベルにキープしながら英語試験のスコア取得の準備を進めた娘本人の頑張りも立派だったと思う。

2つの選択肢のどちらを選ぶかは本人の意思に任せようと考えていた。
そして、ある日、娘に訊いた。

『大学、どうしたいんだ?』

娘の答えは、一言。

『できれば、オーストラリアの大学に行かせていただきたいです。』

ちなみに、ここでお金の話はなんだが、オーストラリアの大学における海外留学生としての学費は日本の私立大学の3倍くらいする。
それを考えると、東京で一人暮らしをする費用と日本の大学の学費を足しても”おつり”がくるくらいだなと。
だから、ホントは内心、日本の大学を選んでくれてもいーぞーとか思っていた。

自分自身は大学受験の時には「海外の大学」なんて選択肢はこれっぽっちも頭になかった。
ただ、もし今、自分が娘と同じように日本の大学と海外の大学を選べる立場にあったとしたら、きっと、娘と『同じ選択』をするだろう。

海外の大学で勉強するというのは、日本での学生生活よりも相当キツイこともあるにちがいない。
実際に、娘にとっては出だしからチャレンジングな状況になったのは、私のビジネスビザの承認が現地の大学の授業開始スケジュールに間に合わず(これがビザの怖いところ!)、彼女はやむなく一人だけ先に「学生ビザ」を取得して、少なくとも2~3か月はシドニーでホームステイしながら授業に通うことになったことだった。

こうして、コアラな娘は、東京の小金井にある安全な“サファリパーク”で3年間過ごした後、再び”故郷(?!)”オーストラリアの猛獣ひしめく大自然にひとり放り出されたのだった。

ガンバレ、娘よ!
オレも頑張る!!


by lateblooming | 2018-07-08 14:16 | 日本で再び転職 | Comments(0)