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コアラな娘のTOEIC

ある日、自宅の郵便受けに届いていた娘宛のTOEIC(英語試験)の受験票をたまたま手に取った。

娘によると、会社に「英語の自己啓発制度」があり、試験を1回受けた後しばらくして2回目を受けた際に、「点数の伸び」に応じて”報奨金”がもらえるみたいなのでとりあえず受けてみることにしたとのことだった。(人事部の皆さん、報奨金制度は若者に効果絶大のようです!)

あまり緊張感のない娘に、私と奥さんはすぐさま、

『しっかり頑張って受けないとダメだよ!』
『仕事で英語の資料作りとか任されているんだから、あんまり悪い点だったら上司から任せて大丈夫なのかって不安がられちゃうんだからね!!』

と奮起を促した。

『ウン』

と、娘からは、分かったのか分かってないのかイマイチ分からないような返事しかなかったが、しばらくはこの話題は忘れていた。


それから1ヶ月くらい経ったある週末、奥さんと娘と3人で近所のカフェでコーヒーを飲みながら、ふと思い出した。

『そういえば、TOEICの結果はどうだったの?!』

すると娘は、

『結果は出たけど、会社に出すのどうしようかなーと思って、、』

と言い出すではないか。

奥さんと私は口をそろえて、『ダメだったの!?』と。

すると、娘はTOEICの試験結果を表示したスマホを我々の前に差し出した。

そこに記載されたスコアが目に入った。そのスコアは、

990点(リスニング495点、リーディング495点)、、、なんと「満点」ではないか!!

どうやら、娘が提出を迷っているポイントというのが、1回目と2回目の試験スコアの『伸び幅』によって報奨金の金額が変わってくるので、(1回目が満点だと)これ以上スコアの伸び幅は無いということで、報奨金をもらえないのではないかというものだった。(そこかい!!)

『そんなこと気にしてないで早く提出しなさい!その方が、仕事任せてくれている上司の人たちに自分の英語力が伝わって安心してもらえるでしょ!!』

と私。

実際に、TOEICの満点(990点)というのは、全受験者のうちの上位0.3%と言われている。つまり、受験者1万人あたりでトップ30人というとても立派な成績である。

これまでTOEICで満点取れる人たちは、自分とは違う星に住む人たちと思っていたが、違う星どころか同じ家に住んでいたことが今回判明して正直ちょっと驚いた。

一方で、このことは私自身にとっても意外と大きなことかもしれない。
それは、(これまでブログでも時折書いてきたが)娘がこれまでどうやって(またどのくらい頑張って)英語を勉強してきか、どのように英語を話すのか、どの程度の英語の語彙力があるのかなどについて近くで見てきたので、“TOEIC満点を取れる英語力”というのが、彼女の存在を通してこれまで以上にリアルに想像出来るようになったことである。

そして何より、自分も刺激を受けた。
自分自身は、長い間TOEIC900点の壁を越えられずウロウロしているのだが、『このまま娘にぶっちぎられたままでは終われない!もっと頑張ろう!!』と英語力アップのやる気に久しぶりに火がついた気がする。
それに、ビジネスパーソンとしての総合力では、まだまだ娘に刺激を与えられる存在でいたいとも思う。娘が刺激を受けているようには全く見えないが(苦笑)

いずれにしても、オーストラリアから帰国した後もいつもマイペースでコアラのような娘は、今では親に刺激を与えるようになるまでに成長したのだった。


後日、仕事から帰ってきた娘が、TOEICの結果を会社の人事に提出したと報告があった。

『人事のヒトに、満点は初めて見たって言われた。』

と。

報奨金の件はなんか訊いてみたのかと尋ねると、娘は、

『あ、訊くの忘れた。』

と一言残して自分の部屋に消えていった。(あんなに気にしていたのにもういいんかい!?)
とぼけたところは変わっていないようだ。


by lateblooming | 2021-07-22 12:05 | 日本で新たなチャレンジ | Comments(0)